コラム

ラジオ広告とは?種類・費用・効果やメリット、出稿方法まで詳しく解説

ラジオ広告は、番組の合間や番組内などで音声を通じて商品・サービスを訴求する広告です。車の運転中や家事、仕事中など、テレビやWebとは異なる場面でリスナーへ情報を届けられる特徴があります。

一方で、ラジオ広告を検討する際には、「どのような種類があるのか」「費用はいくらかかるのか」「どのような効果が期待できるのか」など、分からないことも多いでしょう。

この記事では、ラジオ広告の種類や費用、効果、メリット・デメリットから、効果測定、制作のポイント、出稿手順、活用方法、事例まで詳しくご紹介します。ラジオ広告が自社の商品やターゲットに適した広告媒体なのかを判断する際にお役立てください。

ラジオ広告とは

ラジオ広告とは、ラジオ番組の放送中や番組の合間に音声で流れる広告のことで、「ラジオCM」とも呼ばれます。テレビ・新聞・雑誌と並ぶ4大マスメディアの一つであり、映像や画像を使用せず、音声によって商品やサービスの情報を伝えることが特徴です。

また、ラジオは通勤や家事、仕事、車の運転などをしながら聴けるため、ほかの媒体とは異なる場面でリスナーと接点を持つことができます。番組や時間帯によって聴いている人が異なることから、届けたいターゲットに合わせて広告を出稿できることも特徴の一つです。

ラジオ広告には、従来のラジオ放送に出稿する方法だけでなく、インターネットを通じて配信される音声コンテンツに広告を掲載する方法もあります。それぞれ広告を届けられる範囲や配信の仕組みなどが異なるため、まずは一般的なラジオとインターネットラジオの違いを確認しておきましょう。

インターネットラジオ広告との違い

インターネットラジオとは、FMやAMの電波を利用する一般的なラジオとは異なり、インターネットを通じて音声番組を配信するサービスです。スマートフォンやパソコンなど、インターネットに接続できる端末から聴取できます。

一般的なラジオ放送は放送局ごとに放送対象地域が設定されているため、広告を届けられるエリアにも一定の制約があります。一方、インターネットラジオはサービスによって地域を越えて配信できるほか、リスナーの属性や行動データなどを活用したターゲティングが可能な場合があります。

また、広告の配信回数や接触状況などをデータで確認しやすいことも、インターネットを利用した音声広告の特徴です。ただし、配信サービスによって広告の仕組みや利用できるターゲティング、広告枠などは異なります。ラジオ広告を検討する際は、従来のラジオ放送とインターネットラジオそれぞれの特徴を理解し、目的やターゲットに合った媒体を選ぶことが大切です。

ラジオ広告の需要の変化

上記でお伝えした通り、ラジオは従来の地上波放送だけでなく、インターネットを通じても聴けるようになり、リスナーとの接点が広がっています。特にradikoなどの普及によって、スマートフォンやパソコンからラジオを楽しめる環境が整い、ラジオを取り巻く状況も変化しています。

こうした聴取環境の変化は、ラジオ広告のあり方にも影響を与えています。ここでは、広告市場におけるラジオの現状と、radikoによって広がったラジオの聴取環境をご紹介します。

広告市場におけるラジオ広告の現状

Web広告が拡大するなかでも、ラジオ広告は一定の市場規模を維持してきました。電通の「日本の広告費 」によると、ラジオ広告費は2011年から2019年までは1,200億円台でおおむね横ばいに推移しています。

2020年には新型コロナウイルスの影響などにより1,000億円台まで減少したものの、その後は回復傾向を見せています。デジタル化によって聴取方法も広がるなか、ラジオは現在も広告媒体の選択肢の一つです。

radiko(ラジコ)の普及で広がる新しい形

2010年にサービスを開始したradikoは、スマートフォンやパソコンなどからラジオを聴取できるサービスです。放送後の番組を聴けるタイムフリー機能などにより、決まった放送時間にラジオを聴けない人にも接触機会が広がりました。

また、radikoでは「ラジコオーディオアド」と呼ばれる広告配信も行われています。ユーザーの属性や興味・関心などに応じた広告配信が可能となり、従来のラジオが持つ地域性などの特徴に、デジタル広告の仕組みが加わっています。

ラジオ広告の主な種類

写真1

radikoなどの普及によってラジオの聴取環境が広がるなか、ラジオ広告は現在も商品やサービスをリスナーへ届ける手段の一つとして活用されています。

ラジオ広告には複数の種類があり、自社の商品やサービス、広告を届けたいリスナーに適した方法を選ぶには、それぞれの特徴を理解しておくことが大切です。

ここでは、ラジオ広告の種類を「配信タイミング」と「配信方法」の2つの観点からご紹介します。

配信タイミング

ラジオ広告は、事前に音声を制作して放送する方法と、番組の放送中にリアルタイムで商品やサービスを紹介する方法があります。

それぞれ制作方法や広告の伝わり方が異なるため、広告の目的や伝えたい内容などを踏まえて選ぶことが重要です。

事前に用意した広告を配信する「収録型」

収録型とは、あらかじめ制作・収録した音声広告をCM枠で放送する方法です。一度制作すれば同じ広告素材を繰り返し使用できるため、放送のたびに原稿を用意する必要がありません。

また、事前に内容や演出を確認したうえで収録できるため、放送ごとの表現にばらつきが生じにくい点も特徴です。一方、収録後に商品情報やキャンペーン内容が変わった場合は、修正や再収録が必要になることがあります。そのため、収録前に原稿や訴求内容を十分に確認しておくことが大切です。

番組内でリアルタイムで配信する「生コマーシャル」

生コマーシャルは、番組の放送中にパーソナリティなどが商品やサービスを紹介する方法です。番組の雰囲気やパーソナリティの個性を生かして紹介できるため、通常の番組内容に近い形でリスナーへ情報を届けられます。

一方、放送ごとに原稿の準備や商品の手配などが必要になる場合があり、収録型より運用の手間がかかることがあります。また、放送時の話し方などによって伝わり方が変わる可能性もあります。番組やパーソナリティと商品との相性も考慮して活用することが重要です。

配信方法

ラジオ広告は、どの番組・時間帯で放送するかという契約方法でも分類できます。

代表的なのが「スポットCM」と「タイムCM」です。狙いたい時間帯を重視するのか、特定の番組との結びつきを重視するのかによって、適した方法が異なります。

曜日や時間帯を指定して放送する「スポットCM」

スポットCMは、特定の番組を提供するのではなく、曜日や時間帯などの条件を設定して放送する広告です。ターゲットとなるリスナーがラジオを聴きやすい時間帯に合わせたり、一定期間に集中して広告を流したりできます。

特定の番組だけに限定されないため、複数の番組を聴くリスナーへ接触できる点も特徴です。イベントやセールなど、期間が決まった告知にも活用できます。放送期間や時間帯、回数などを調整できるため、広告の目的や予算に合わせて出稿計画を立てることが重要です。

特定の番組内で放送する「タイムCM(番組提供)」

タイムCMは、特定の番組のスポンサーとなり、その番組内で放送する広告です。「この番組は○○の提供でお送りします」といった提供クレジットとともに放送される場合があります。

同じ番組で継続的に広告を届けられるため、その番組を習慣的に聴いているリスナーとの接点を作りやすい点が特徴です。番組のリスナー層と自社のターゲットが合っているかを確認したうえで番組を選ぶことが重要になります。

ラジオ広告にかかる費用

ラジオ広告の種類による違いを把握したら、制作や放送にどの程度の予算が必要になるのかも確認しておきましょう。ラジオ広告では、主にCM音源を作るための「制作費」と、実際にラジオ局でCMを流すための「放送料」がかかります。

必要な金額は放送エリアや制作内容、出演者、放送回数などによって変わるため、それぞれの費用が何によって決まるのかを確認しておきましょう。

制作費

制作費は、ラジオCMで使用する音源を制作するための費用です。原稿作成やナレーション収録、スタジオ利用、BGM・効果音の追加などが主な費用に含まれます。

制作費は内容や依頼先によって幅があり、ラジオ局にシンプルな制作を依頼する場合であれば比較的費用を抑えられる一方、制作会社へ依頼してナレーターやBGM、効果音などにこだわる場合は、数十万円程度かかることもあります。さらに、タレントの起用やオリジナル楽曲の制作などを行えば費用は高くなるため、必要な演出を整理したうえで見積もりを取ることが大切です。

放送料

放送料は、制作したラジオCMを実際に放送するための費用です。放送するラジオ局やエリア、時間帯、放送回数などによって金額が異なります。

スポットCMの場合、20秒1本あたり数万円程度からが一つの目安ですが、聴取可能エリアの広い放送局や需要の高い時間帯では、料金が高くなることがあります。また、複数回の放送をまとめたプランなどが用意されている場合もあるため、実際の出稿費用はラジオ局や広告代理店へ確認しましょう。

ラジオ広告で期待できる効果

ラジオ広告への出稿を判断する際は、制作費や放送料だけでなく、どのような効果が期待できるのかも確認することが大切です。広告の特徴や効果を把握しないまま出稿すると、自社の目的にラジオ広告が適しているのかを十分に判断できません。

また、ラジオ広告ならではの効果を理解することは、出稿する番組や時間帯、ほかの広告媒体との組み合わせなどを検討するうえでも役立ちます。自社の商品やサービスとの相性を判断するためにも、ラジオ広告で期待できる代表的な4つの効果について確認していきましょう。

フリークエンシー効果

フリークエンシー効果とは、同じ広告へ繰り返し接触することで、商品名やサービス名などが記憶に残りやすくなる効果です。

ラジオには、通勤中や家事中など決まった時間帯に同じ番組を聴くリスナーもいます。そのため、同じ時間帯や番組で継続的にCMを放送すれば、同じリスナーへ繰り返し広告を届ける機会を作れます。ターゲットが聴取しやすい番組や時間帯を選び、適切な頻度で接触機会を設けることが重要です。

イメージャリートランスファー効果

イメージャリートランスファー効果とは、ラジオCMを聴いたときに、テレビCMなど別の媒体で見た映像や商品イメージが思い起こされる効果です。

たとえば、テレビCMとラジオCMで同じキャッチコピーや音楽を使用すると、ラジオから流れる音声をきっかけに、テレビで見た商品の映像を思い出してもらえる可能性があります。映像を持たないラジオでも、ほかの媒体で形成された視覚的なイメージと結び付けることで、商品やブランドをより具体的に印象付けられます。

リーセンシー効果

リーセンシー効果とは、広告へ接触した記憶が、その後の商品購入やサービス利用などの行動に影響を与える効果を指します。

ラジオは、車の運転中や家事、仕事などをしながら聴かれることもある媒体です。その場ですぐに行動へ移らなくても、広告で耳にした商品名やサービス名が記憶に残っていれば、後から商品を選ぶ場面で思い出してもらえる可能性があります。広告接触後の行動まで考え、覚えやすい訴求を設計することが大切です。

押し上げ効果

押し上げ効果とは、ラジオだけでなく複数の広告媒体を組み合わせることで、商品やサービスの認知を後押しする効果です。

たとえば、Web広告やテレビ広告などで商品を目にした人が、ラジオでも同じ商品について耳にすることで、異なる場面で複数回接触する機会を作れます。ラジオだけでは接触しにくい層をほかの媒体で補うなど、それぞれの媒体の特徴を活かすことで、広告施策全体として認知を広げやすくなります。

ラジオ広告を活用するメリット

写真2

上記では、ラジオ広告の効果をご紹介しました。

ラジオ広告には認知や記憶を促す効果だけでなく、広告媒体として活用するうえでさまざまなメリットがあります。

ここからは、ラジオ広告を活用することで得られる具体的なメリットをお伝えします。

企業やブランドへの信頼獲得につながる

ラジオ広告への出稿は、企業や商品に対する信頼感の醸成につながる可能性があります。ラジオCMは、各放送局が定める基準に沿った考査を経て放送されるためです。

特に、地域で長く親しまれているラジオ局や番組へ継続的に広告を出稿すれば、その番組を普段から聴いているリスナーとの接点を作れます。また、番組提供によって企業名を繰り返し伝える方法もあります。認知を広げるだけでなく、企業やブランドへの安心感を形成したい場合にも検討できる広告媒体です。

習慣的にラジオを聴くリスナーへ繰り返し訴求できる

ラジオは、生活のなかで習慣的に聴かれやすい媒体です。車の運転中や仕事中、家事をしながらなど、ほかの行動と並行して長時間聴かれることもあります。

さらに、現在は従来のラジオ受信機だけでなく、スマートフォンやパソコンなどからも番組を聴取できます。決まった時間帯や番組を継続して聴くリスナーに広告を届けることで、商品名や企業名との接触機会を積み重ねられる点がメリットです。テレビやWeb広告とは異なる場面で消費者へ接触する手段としても活用できます。

比較的短時間で制作しやすい

ラジオCMは映像を使用しないため、テレビCMなどと比較して制作工程を抑えやすい点がメリットです。基本的には原稿を作成し、ナレーションを収録したうえで、必要に応じてBGMや効果音などを加えて制作します。

映像撮影に必要なロケーションの選定や撮影、映像編集などの工程がないため、比較的短い期間で制作を進められます。そのため、期間限定キャンペーンやイベント、季節商品の告知など、放送開始までの期間が限られている広告施策でも検討しやすいでしょう。

親近感を持ってもらいやすい

ラジオ番組では、パーソナリティがリスナーから届いたメッセージを紹介するなど、リスナーとの距離を近く感じられる番組づくりが行われています。

こうした番組内で商品やサービスを紹介することで、通常のCMとは異なる伝え方ができる点もラジオ広告の特徴です。特に生コマーシャルでは、普段から番組を担当しているパーソナリティの言葉を通して商品の特徴を伝えられます。番組や出演者と商品との相性が良ければ、広告に対して親しみを持ってもらうきっかけを作りやすくなります。

CM中に離脱されにくく広告を聴いてもらいやすい

ラジオは、番組とCMを音声で続けて聴くことが基本となるため、広告に切り替わるたびに画面を閉じたり、別のページへ移動したりするWeb広告とは接触の仕方が異なります。

特に運転や家事、仕事などをしながらラジオを聴いている場合、CMのたびに操作して広告を避けるとは限りません。そのため、番組を継続して聴いているリスナーに対して、CMも自然な流れで届けられる可能性があります。ただし、音声が流れていても必ず内容まで意識して聴かれるわけではない点には注意が必要です。

比較的少ない予算から出稿しやすい

ラジオ広告は、テレビCMなどと比較すると、少ない予算から出稿を検討しやすい点がメリットです。前述したように、放送料はラジオ局やエリア、時間帯、放送回数などによって変わります。

特に地方局や限定したエリアでの出稿であれば、全国規模の広告を展開する場合と比べて予算を抑えられるケースがあります。そのため、広告予算が限られている企業でも、商圏やターゲットを絞って活用しやすいでしょう。ただし、料金は条件によって異なるため、実際の出稿時には見積もりを確認する必要があります。

番組や時間帯でターゲットを絞りやすい

ラジオ広告は、番組のリスナー層や放送する曜日・時間帯を考慮して、広告を届けたい相手を絞り込みやすい点もメリットです。

たとえば、通勤時間帯と日中では、ラジオを聴いている人の生活状況や属性が異なる可能性があります。また、番組ごとにテーマや主なリスナー層も異なります。自社の商品・サービスを利用する人が、いつ、どのような番組を聴いているのかを考えて放送枠を選ぶことで、ターゲットとの接点を作りやすくなります。

特定の地域に絞った広告展開ができる

ラジオは放送局ごとに放送エリアが設定されているため、特定の地域に絞った広告展開が可能です。店舗や地域密着型サービスなど、商圏が限定されている企業にとって活用しやすい特徴があります。

また、地域のイベントや店舗情報などを盛り込んだ広告を制作すれば、その地域に暮らすリスナーを意識した訴求もできます。全国一律のメッセージではなく、地域ごとに内容を変えるといった活用も可能です。

ラジオ広告を活用するデメリット

このようにラジオ広告には複数のメリットがありますが、すべての商品やターゲットに適しているわけではありません。自社に合う広告媒体か判断するには、強みだけでなくラジオ広告ならではのデメリットもあわせて確認することが大切です。

以下では、ラジオ広告のデメリットを詳しくご紹介します。

音声のみでは商品の特徴を伝えにくい場合がある

ラジオ広告は音声だけで情報を伝えるため、見た目や形状が重要な商品は魅力を伝えにくい場合があります。特に、まだ一般的に知られていない商品や、実物を見ないと特徴を理解しにくい商品では、リスナーが具体的なイメージを持ちにくくなります。

そのため、商品の特徴を言葉だけでも想像しやすい表現に置き換えたり、利用場面を具体的に伝えたりする工夫が必要です。必要に応じてWebサイトや動画など、視覚情報を補える媒体と組み合わせる方法も検討するとよいでしょう。

若年層へリーチしにくい場合がある

ラジオは年代によって聴取状況が異なるため、10代や20代など若年層を中心に訴求したい場合は、ほかの年代と比べてリーチしにくい可能性があります。

そのため、若年層が主なターゲットの商品では、ラジオだけで十分な接触機会を確保できるか確認することが重要です。一方、radikoなどインターネット経由でラジオを聴ける環境も広がっています。地上波だけで判断せず、オンライン音声広告も含めて、ターゲットの利用状況に合った配信方法を検討するとよいでしょう。

広告を聞き流されてしまう可能性がある

ラジオは、運転や家事、仕事などをしながら聴かれることが多い媒体です。そのため、CMが流れていても、リスナーが別の作業に集中していると広告内容まで十分に意識されない可能性があります。

特に、情報量が多すぎたり、印象に残りにくい内容だったりすると、商品名や訴求内容を覚えてもらえない場合があります。短い時間でも耳を向けてもらえるよう、伝える情報を絞り、印象的な言葉や音を活用することが重要です。

ラジオ広告の効果測定について

上記のように、ラジオ広告には音声媒体ならではのデメリットもあるため、出稿後は「放送した」という事実だけでなく、実際にどの程度リスナーへ届いたのかを確認することが重要です。効果測定を行えば、放送する時間帯や回数などを見直し、今後の出稿計画を改善するための判断材料にもなります。

ラジオ広告の成果を適切に把握するために、ここでは代表的な効果測定の方法と指標についてご紹介します。

効果測定の方法

ラジオ広告の効果測定では、ラジオの聴取状況をもとに、広告がどの程度リスナーへ届いたのかを確認します。代表的な方法として、聴取率をもとにGRPを算出し、一定期間における広告への接触量を把握する方法があります。(GRPについては以下で解説しています。)

ただし、こうした数値だけでは、実際に広告内容を意識して聴いていたかまでは判断できません。そのため、放送回数や時間帯などの出稿条件とあわせて確認し、目的に応じてWebサイトへのアクセス数や問い合わせ数などもあわせて確認するとよいでしょう。

効果測定で用いられる主な指標

ラジオ広告の到達状況を確認する際に用いられる代表的な指標が、「個人聴取率」「世帯聴取率」「GRP」です。聴取率はラジオがどの程度聴かれているかを示し、GRPは広告への延べ接触量を把握するために用いられます。

それぞれ示している内容が異なるため、効果測定を行う前に意味を理解しておきましょう。

個人聴取率と世帯聴取率

ラジオの聴取状況を把握する指標には、個人単位で見る「個人聴取率」と、世帯単位で見る「世帯聴取率」があります。ラジオは一人で聴かれることも多いため、広告の接触状況を考える際には個人単位の聴取状況が重要になります。

たとえば、6人が暮らす2世帯のうち、それぞれ1人ずつが聴いていた場合、世帯では2世帯とも接触したことになりますが、個人では6人中2人の接触となります。このように、世帯と個人では数値に差が生じるため、実態に近い接触状況を確認するには指標の違いを理解する必要があります。

GRP

GRPとは、一定期間に放送した広告の延べ接触量を表すために用いられる指標です。広告をどの程度の規模でリスナーへ届けたのかを把握する際に利用されます。

基本的には「個人聴取率×広告の出稿回数」で算出します。たとえば、個人聴取率10%の番組で広告を4回放送した場合は、10%×4回で40GRPです。数値が大きいほど広告への延べ接触量も大きくなりますが、GRPだけで広告内容の理解や購買行動まで判断できるわけではありません。

GRPを効果測定に用いるメリット・注意点

GRPのメリットは、ラジオ広告がリスナーにどの程度接触したのかを数値で把握し、出稿量を定量的に評価できることです。放送期間や出稿パターンごとに比較することで、広告計画を見直す際の判断材料としても活用できます。

一方で、GRPを計測できる放送局は限られており、聴取率の調査方法によっては実際の接触状況を正確に捉えきれない場合があります。また、GRPから分かるのはあくまで広告への延べ接触量であり、広告をきっかけに商品を購入したり、問い合わせたりした人数までは把握できません。

そのため、ラジオ広告の成果を判断する際は、GRPだけに頼らず、広告経由のコンバージョン数やCPO(顧客獲得単価)、その後の購入・契約につながった割合なども組み合わせて確認することが重要です。複数の指標から広告への接触と実際の成果を確認することで、出稿の費用対効果をより適切に判断しやすくなります。

効果的なラジオ広告を制作するポイント

効果測定によって広告の届き方を確認したら、その結果を次回の出稿やクリエイティブ改善へ生かすことが重要です。

ラジオ広告で成果につなげるためには、CMを制作して放送するだけでなく、誰に何を伝えるのかを整理することが大切です。また、音声だけで情報を届ける媒体の特性も考慮する必要があります。

ここでは、ラジオ広告を制作する際に押さえておきたいポイントをご紹介します。

届けたいターゲットを明確にする

ラジオ広告を制作する際は、どのようなリスナーへ広告を届けたいのかを明確にしましょう。ターゲットが曖昧なままでは、伝える内容も広がり、誰に向けた広告なのか分かりにくくなる可能性があります。

年齢や性別、職業、ライフスタイルなどから具体的な人物像を設定し、その人に語りかけるように原稿を考えることが大切です。また、ターゲットが聴きやすい時間帯や番組もあわせて検討することで、広告内容と放送枠の両面から訴求する相手を意識した広告展開につなげられます。

他の広告媒体との組み合わせを考える

ラジオは音声で情報を届けるため、商品の見た目や使い方など、視覚的な情報を十分に伝えられない場合があります。そのため、ラジオ広告だけですべてを伝えようとせず、ほかの広告媒体との組み合わせも検討しましょう。

たとえば、テレビCMやWeb広告、交通広告などと共通するキャッチコピーや音楽を使用すれば、別の媒体で広告に触れた際に商品やブランドを思い出してもらうきっかけを作れます。それぞれの媒体の特徴を生かし、互いに不足する情報を補える設計にすることが大切です。

CMに情報を詰め込みすぎない

限られた放送時間のなかで多くの魅力を伝えようとすると、情報量が多くなりすぎて、かえって何を伝えたいCMなのか分かりにくくなることがあります。

ラジオCMでは視覚情報を使えないため、リスナーが一度聴いただけでも理解しやすい内容に整理することが重要です。商品やサービスの特徴をすべて盛り込むのではなく、特に伝えたい訴求点を絞り込みましょう。また、言葉を詰め込むだけでなく、適度な「間」を設けることで、重要な言葉を印象づける工夫もできます。

地域に詳しい広告代理店を活用する

地域を限定してラジオ広告を出稿する場合は、その地域やラジオ局に詳しい広告代理店を活用する方法もあります。ラジオCMの制作には、原稿作成や収録、編集などの作業が必要であり、放送枠の選定についても専門的な知識が求められます。

地域事情に詳しい広告代理店であれば、地域の特徴やターゲットを踏まえながら、制作や出稿について相談しやすくなります。自社だけですべてを進めるのが難しい場合は、外部の知見を取り入れることも選択肢の一つです。

ラジオ広告を出稿するまでの流れ

制作時のポイントを押さえたら、実際にどのような流れでCMを制作し、放送まで進めるのかも把握しておく必要があります。準備から出稿までの工程を理解しておけば、必要な作業を整理しながらラジオ広告の実施を進めやすくなります。

ラジオ広告を放送するまでの流れは、大きく「広告の制作」と「出稿(放送)」の2段階に分けられます。制作する広告の種類や依頼先によって必要な準備が異なるため、あらかじめ全体の流れを把握し、余裕を持って進めることが大切です。

ラジオ広告の原稿・音源を制作する

まずは、放送するラジオ広告を制作します。生コマーシャルの場合は原稿、収録型の場合は原稿に加えて放送用の音源を用意します。

制作はラジオ局へ依頼するほか、制作会社や広告代理店へ依頼する方法があります。ラジオ局へ依頼する場合は、その局のアナウンサーが原稿を読み上げるケースがあります。一方、制作会社や広告代理店であれば、複数局で使用することを想定した音源制作を相談できる場合があります。放送局ごとに考査があるため、出稿先の基準を確認しながら制作を進めましょう。

ラジオ局へ広告を出稿・放送する

原稿や音源が完成したら、ラジオ局へ納品し、考査など必要な手続きを経て放送に至ります。出稿方法には、ラジオ局へ直接依頼する方法と、広告代理店を通して依頼する方法があります。

直接依頼する場合は、放送局ごとの考査や音源の仕様などを自社で確認・調整する必要があります。広告代理店を利用する場合は、こうした作業を代行してもらえる場合があるため、複数局への出稿などでは負担を軽減しやすくなります。依頼先による対応範囲や条件を確認して選びましょう。

ラジオ広告の効果を高める活用方法

制作から放送までの流れを理解したうえで、さらに検討したいのがラジオ広告の活用方法です。単独で出稿するだけでなく、ほかの媒体と組み合わせたり、得られた反響を別の施策へ生かしたりする方法もあります。

広告予算をより有効に活用するためにも、ラジオ広告を広告戦略全体のなかでどのように活用できるのかを確認しておきましょう。

複数の広告媒体を活用してリスク分散する

広告予算を一つの媒体に集中させると、その媒体の成果が悪化した場合や、審査などによって出稿できなくなった場合に、集客全体へ大きな影響が及ぶ可能性があります。

そこで、Web広告などに加えてラジオ広告も活用し、集客経路を複数確保しておくことがリスク分散につながります。また、ラジオで商品やサービスを知ったリスナーが、後からWebで検索するといった行動も考えられます。媒体ごとに役割を分け、互いに補完できる広告展開を検討するとよいでしょう。

ラジオ広告で成果が出た訴求をテレビ広告へ展開する

ラジオ広告で反響の良かった訴求を、テレビのインフォマーシャルへ横展開する方法もあります。テレビ広告はラジオ広告より費用が高くなる場合があるため、本格的な制作・出稿前にラジオで訴求内容を試すことで、広告展開の判断材料を得られます。

たとえば、複数の訴求をラジオ広告で試し、反響の良かった内容をテレビ向けに展開する方法が考えられます。ラジオを訴求の検証にも活用することで、次の広告施策へ得られた知見をつなげやすくなるでしょう。

企業のラジオ広告活用事例

ここまでお伝えした活用方法を具体的な広告施策へ落とし込むには、実際に企業がどのようにラジオ広告を取り入れているのかを知ることも参考になります。

最後に、ラジオ広告を活用した企業の成功事例をご紹介します。

カーネクスト|声と音楽でサービス名を印象付け

カーネクストでは、サービスの認知拡大を目的として、2022年から継続的にラジオCMを放送しています。今年(2026年)は声優の中尾隆聖さんを起用し、「お高~く買取篇」「カーネクストPRO篇」「カーネクスト音頭篇」など4種類のCMを全国で放送しました。

CMでは、特徴的なナレーションや耳に残るリズムを取り入れ、音声だけでもサービス名や特徴を印象付けられるよう工夫されています。映像を使えないラジオ広告において、声や音楽を活用してリスナーの記憶に残るクリエイティブを制作している事例です。

参考URL:声優・中尾隆聖さんが“カーネクスト音頭”を歌い上げる!『カーネクスト』新ラジオCMを全国でオンエア開始!|PR TIMES

桃屋|番組との連動で商品の利用シーンを訴求

株式会社桃屋は、TOKYO FMの番組「Skyrocket Company」内で「桃屋の秒メシ!」を展開しています。リスナーから桃屋の商品を使って短時間で作れるレシピを募集し、番組内で紹介する企画です。

一般的な短時間のCMだけで商品名を伝えるのではなく、番組のコンテンツとして商品を取り入れることで、具体的な利用方法までリスナーへ伝えています。ラジオ番組と商品を組み合わせ、リスナー参加型の企画として継続的な接点を作っている事例です。

参考URL:桃屋の秒メシ!|Skyrocket Company公式サイト

サッポロビール|番組とラジオCMを活用して購買を促進

サッポロビール株式会社は、ヱビスブランドの広告施策として、TOKYO FMの提供番組「ヱビスビール presents Color Your Time」とラジオCMを活用しました。番組では、ゲストとのトークを通じてヱビスのブランドメッセージや世界観を伝えています。

TOKYO FMがradikoの聴取データと商品の購買データを組み合わせて効果を検証したところ、番組・CMを聴取していない人と比べ、聴取者の購買率が高い結果となりました。また、複数回聴取した人では購買率がさらに高く、繰り返し接触することによる効果も確認されています。ラジオ広告と番組を組み合わせ、購買への影響まで検証した事例です。

参考URL:ラジオとオーディオコンテンツは商品購買につながる!TOKYO FMの音声広告効果検証基盤がデータで実証!|PR TIMES

日本精化|地域性を活かしたラジオCMで企業認知を向上

日本精化株式会社は、化学メーカーとしての認知向上を目的に、2026年7月から近畿エリアでラジオCMを放送しています。20秒のCMを3種類制作し、FM大阪、Kiss FM KOBE、α-Station FM-KYOTOの3局で、番組内や7~19時のスポット枠に展開しています。

CMでは、関西弁を取り入れた表現や「おかしちゃうねん、カガクやねん」というキャッチコピーなどを活用し、社名から製菓会社と間違われやすいという課題を逆手に取って、自社が化学メーカーであることを印象付けています。地域性や音声表現を活かして企業認知につなげているラジオCMの事例です。

参考URL:日本精化、近畿エリアにて新たにラジオCMの放送を開始|PR TIMES

まとめ

写真3

ラジオ広告は、音声を通じてリスナーへ商品やサービスの情報を届けられる広告媒体です。習慣的に番組を聴くリスナーとの接点を作りやすく、放送エリアや番組、時間帯などを考慮した広告展開ができます。

また、収録型や生コマーシャル、スポットCM、タイムCMなど複数の方法があり、目的やターゲットに応じた使い分けが重要です。出稿を検討する際は、制作費や放送料だけで判断せず、ターゲットとの相性や期待する効果、効果測定の方法まで含めて計画を立てましょう。

ラジオだけですべての情報を伝える必要はありません。商品によってはWeb広告やテレビ広告などと組み合わせることで、それぞれの媒体の特徴を生かした広告展開も可能です。自社の商品・サービスを誰に届けたいのかを明確にしたうえで、ラジオ広告を活用するか検討してみてください。

広告エラビーでは、ラジオ広告をはじめ、Web広告や交通広告、屋外広告、紙媒体など、さまざまな広告媒体を探すことができます。「どの媒体が自社に合っているのか分からない」「ターゲットに合った広告媒体を比較したい」という場合は、広告エラビーを活用して、自社の目的や予算に合った広告媒体を探してみてください。

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