インバウンド集客とは?具体的な方法や成功させるポイント・事例を解説
訪日外国人旅行者の増加を受け、宿泊施設や飲食店、小売店、観光施設などでは、インバウンド需要を取り込む重要性が高まっています。
一方で、「外国人旅行者にどうやって自社を知ってもらえばよいのか」「どの集客方法から始めればよいのか」と悩む方もいるでしょう。
インバウンド集客では、単に外国語で情報を発信するだけでなく、狙う国・地域や旅行者のニーズを把握し、適切な媒体や施策を選ぶことが重要です。
この記事では、インバウンド集客の重要性や課題、受け入れ準備、具体的な集客方法、成功させるポイントを事例とともに解説します。

インバウンド集客が重要視されている理由
訪日外国人旅行者の増加に伴い、インバウンドは宿泊・飲食・小売・観光など幅広い事業者にとって重要な市場となっています。集客を検討する際は、訪日客数だけでなく、旅行中の消費や情報収集の方法、国の観光政策なども含めて市場の動きを捉えることが大切です。
訪日客の発信が海外での認知拡大につながる
インバウンド集客は、来店や宿泊による売上だけでなく、海外での認知拡大につながる可能性があります。訪日外国人旅行者が日本で体験した飲食店や観光施設、商品などを気に入り、SNSや動画サイトへ写真・動画を投稿すれば、その情報が海外のユーザーへ届くためです。
実際に訪日旅行前の情報収集でもSNSや動画サイトは利用されています。旅行者による発信は企業側でコントロールできるものではありませんが、商品や店舗を海外の人に知ってもらうきっかけの一つになります。
訪日外国人による消費額が拡大している
インバウンド市場を考えるうえでは、訪日外国人旅行者による消費規模にも注目する必要があります。観光庁のインバウンド消費動向調査によると、2025年の訪日外国人旅行消費額は約9.5兆円となり、過去最高を記録しました。一般客1人当たりの旅行支出は約22万9千円です。
宿泊や飲食、買い物、交通、娯楽など、旅行中にはさまざまな場面で消費が発生します。そのため、自社の商品・サービスと訪日外国人旅行者のニーズが合えば、インバウンド需要を売上につなげられる可能性があります。
訪日客はWebで旅行先の情報を集めている
訪日外国人旅行者への集客では、Web上で情報を見つけてもらえる環境づくりが重要です。観光庁の調査では、旅行前の情報収集にSNSや動画サイト、個人ブログ、宿泊施設のWebサイトなどが利用されています。
旅行会社にすべてを任せるのではなく、自分で情報を調べて旅行を手配する人も少なくありません。そのため、自社サイトやSNS、検索サービスなどに必要な情報を掲載し、旅行者が訪日前・旅行中に見つけられる状態を整えることが重要です。
政府もインバウンドの受け入れを推進している
日本政府も、観光を地域経済や日本経済の発展を支える戦略産業と位置づけ、インバウンドの誘客を進めています。
観光庁の「観光立国推進基本計画」を閣議決定についての報道発表によると2026年度から2030年度までの「観光立国推進基本計画」では、2030年に訪日外国人旅行者数6,000万人、訪日外国人旅行消費額15兆円という目標を掲げています。
一方、旅行者数を増やすだけでなく、地方への誘客やオーバーツーリズムへの対応なども重視されています。事業者にとっても、こうした政策や旅行需要の変化を踏まえて集客を考えることが重要です。
訪日外国人旅行者数は過去最高を更新している
訪日外国人旅行者数は、コロナ禍による大幅な落ち込みから回復し、過去最高を更新しています。
日本政府観光局(JNTO)の訪日外客数(2025年12月推計値)についての報道発表によると、2024年は約3,687万人でしたが、2025年は4,268万3,600人となり、初めて年間4,000万人を突破しています。
2025年は前年比15.8%増となり、2024年の過去最高記録を580万人以上上回りました。こうした推移からも、インバウンド市場が事業者にとって無視できない規模へ拡大していることが分かります。
市場環境の変化に関わらず安定した集客を維持するためには、早期から戦略的な集客基盤を作っておくことが重要です。国としてインバウンド市場の拡大を重要な政策として位置づけていることは、事業者が中長期的な集客を考えるうえで重要な判断材料です。
ただし、市場が拡大していても、すべての店舗や施設が自動的に集客できるわけではありません。需要を取り込むには、インバウンド特有の課題を理解しておく必要があります。
インバウンド集客で直面しやすい3つの課題
訪日外国人旅行者を自社の顧客として取り込むには、日本人向けの集客とは異なる課題があります。特に、言語の違いへの対応、選ばれる商品・サービスの設計、狙った旅行者へ情報を届ける仕組みは、施策を考える前に整理しておきたいポイントです。
言語の壁をなくし必要な情報を伝える
インバウンド集客では、訪日外国人旅行者が必要な情報を理解できる環境を整えることが課題となります。Webサイトや予約ページ、メニューなどが日本語だけでは、サービスの内容や料金、利用方法が十分に伝わらず、比較・予約の段階で選択肢から外れる可能性があります。
ただし、すべてのスタッフが複数の言語を習得する必要があるわけではありません。翻訳ツールなども活用しながら、ターゲットとする国・地域を踏まえ、情報収集から予約、来店・利用まで必要な情報を理解できる状態を整えることが大切です。
訪日客に選ばれるプランを設計する
訪日外国人旅行者に選んでもらうには、既存の商品やサービスをそのまま提供するだけでなく、ターゲットにとっての魅力を明確にすることも重要です。
似たような商品や体験が複数あれば、自社ならではの価値が分からないまま比較対象に埋もれてしまう可能性があります。
地域ならではの文化や食、歴史など、自社が提供できる体験や特徴を整理し、「ここを選ぶ理由」が伝わるプランを検討しましょう。求められる内容は国・地域や旅行目的によって異なるため、外国人旅行者を一括りにして企画しないことも大切です。
狙った訪日客に情報を届ける
魅力的な商品やサービスを用意しても、訪日外国人旅行者に存在を知ってもらえなければ集客にはつながりません。
利用する検索サービスやSNS、予約サイトなどは国・地域によって異なるため、日本国内と同じ方法で情報を発信しても、狙った層へ十分に届かない場合があります。
まずは「誰に来てもらいたいのか」を考え、その旅行者がどのような方法で情報を探しているのかを把握することが重要です。ターゲットへの情報発信と並行して、実際に来店した人が安心して利用できる環境も整えておきましょう。
インバウンド集客を始める前に整えたい受け入れ環境
広告での認知拡大と並行して、インバウンド集客では、広告などで認知を広げる前に、訪日外国人旅行者が自社の店舗や施設を見つけ、安心して利用できる環境を整えることが大切です。情報収集から予約・来店、現地での利用までの流れを踏まえ、まずは基本的な受け入れ環境を確認しましょう。

ターゲットが利用するOTAを確認する
訪日外国人旅行者に自社を見つけてもらうには、狙う国や地域で利用されているOTAを確認しておきましょう。OTAとは、インターネット上で宿泊施設や飲食店、体験などの旅行商品・サービスを検索・予約できるサービスです。
利用されるOTAは国や地域によって異なるため、知名度だけで掲載先を決めるのではなく、想定する旅行者がどのサービスで情報を探しているのかを確認することが大切です。自社の商品・サービスを掲載できるOTAがある場合は、ターゲットとの接点を作る手段として活用を検討しましょう。
Google上の店舗・施設情報を最新に保つ
訪日外国人旅行者がGoogle検索やGoogleマップで店舗・施設を探した際、正確な情報が表示される状態を整えておくことも重要です。名称や住所、営業時間、電話番号、Webサイトなどの基本情報に誤りがないか確認しましょう。
特に営業時間や休業日の情報が実際と異なっていると、現地を訪れた旅行者が利用できないといったトラブルにつながります。臨時休業なども含めて情報を更新し、検索した旅行者が迷わず店舗・施設を見つけ、利用を検討できる状態を保つことが大切です。
訪日客の行動や情報収集方法を把握する
インバウンド集客では、訪日外国人旅行者を一括りにせず、自社に来てほしい人がどのように旅行先や店舗・施設を探しているのかを知ることが出発点です。
旅行前に候補を調べて予約する人もいれば、滞在中にスマートフォンで周辺の店舗や観光施設を探す人もいます。国や地域によって、利用する検索サービスやSNS、予約サイトなども異なります。
狙う国・地域を考えたうえで、情報収集から比較、予約・利用までの行動を把握すると、用意すべき情報や環境を判断しやすくなります。
写真・口コミ・外国語の情報を充実させる
店舗や施設を見つけてもらった後に利用先として検討してもらうには、写真や口コミ、外国語による情報を充実させることが大切です。
商品や料理、客室、施設内の様子などを写真で確認できれば、言葉だけでは伝わりにくい特徴や利用時のイメージを伝えやすくなります。
また、料金やサービス内容、利用方法、予約方法など、旅行者が判断するために必要な情報も分かりやすく掲載しましょう。すべてを一度に多言語化するのが難しい場合は、ターゲットとする国・地域を踏まえて、優先度の高い言語や情報から整備します。
訪日客が利用しやすい決済環境を整える
訪日外国人旅行者がスムーズに支払いできるよう、キャッシュレス決済への対応も検討しましょう。普段利用している決済方法が使えるかどうかは、店舗や施設を利用する際の利便性に関わります。
日本を訪れる旅行者が利用しやすい決済手段を確認し、必要に応じてクレジットカードやコード決済などを導入しましょう。対応している決済方法を店頭やWebサイトなどで事前に確認できるようにしておくことも大切です。
決済方法を増やす際は、利用者の利便性だけでなく、導入費や決済手数料なども含めて判断しましょう。
必要に応じてごみを捨てられる環境を整える
飲食物のテイクアウトや商品販売などによって容器・包装のごみが発生する場合は、旅行者がごみを捨てられる環境についても検討しましょう。訪日外国人旅行者は、日本のごみ出しルールや周辺のごみ箱の場所を把握しているとは限りません。
必要に応じて施設内などにごみ箱を設置し、分別方法をイラストや外国語で示すと利用しやすくなります。
ただし、必要性は業種や提供する商品、立地によって異なります。一律に設置するのではなく、自社で発生するごみや利用状況、施設の管理ルールなどを踏まえて判断しましょう。
無料Wi-Fiを利用できる環境を整える
訪日外国人旅行者がスマートフォンで情報を確認しやすいよう、無料Wi-Fiを利用できる環境を整えることも選択肢の一つです。旅行中は、地図や交通情報の確認、翻訳、同行者との連絡など、さまざまな場面でインターネットが利用されます。
導入する場合は、SSIDや接続方法を店舗・施設内に分かりやすく掲示し、外国人旅行者でも迷わず利用できるようにしましょう。
一方、通信環境の整備には費用や管理も必要です。利用者のニーズや施設での滞在時間などを踏まえて、必要性を判断しましょう。
多言語対応のAIチャットボットを活用する
外国人旅行者からの問い合わせに対応する方法として、多言語対応のAIチャットボットを活用する選択肢もあります。
営業時間やアクセス、予約方法、料金、サービス内容など、よくある質問へ自動で回答できれば、スタッフが外国語で個別に対応する負担を抑えやすくなります。
ただし、AIの回答が常に正確とは限りません。導入する場合は、自社の最新情報を反映できる仕組みや、回答できない質問をスタッフへ引き継ぐ方法なども確認しましょう。
こうした受け入れ環境を整えたうえで、自社をまだ知らない訪日外国人旅行者との接点を広げる集客施策を組み合わせていくことが大切です。
インバウンド集客で実践したい具体的な方法
インバウンド集客には、検索やSNSなどのオンライン施策から、海外で直接魅力を伝える方法までさまざまな選択肢があります。すべてを実施する必要はありません。それぞれの特徴を理解し、自社の業種やターゲット、予算に合った方法を検討しましょう。
多言語の自社サイトから予約につなげる
宿泊施設などでは、多言語に対応した自社予約サイトを整備し、訪日外国人旅行者からの直接予約を増やす方法があります。OTAは新規顧客との接点を作りやすい一方、予約が成立すると販売手数料が発生するのが一般的です。
自社サイトから予約してもらえれば、OTA以外の予約経路も確保できます。ただし、単に翻訳するだけでなく、料金やキャンセル条件などを分かりやすく表示し、予約完了まで迷わず進める設計が重要です。ターゲットに応じた決済方法への対応も検討しましょう。
紙媒体や看板でも外国語で情報を届ける
インターネットだけでなく、パンフレットやチラシ、店頭看板などを多言語化して旅行中の外国人へ情報を届ける方法もあります。
特に観光地や駅、宿泊施設などから徒歩で周遊する旅行者に対して、近隣の店舗や施設を知ってもらう接点になります。
店名やサービス内容だけでなく、営業時間や料金、アクセスなど、利用を判断するために必要な内容を簡潔にまとめましょう。QRコードからWebサイトや予約ページへ誘導するなど、紙媒体とオンライン上の情報を組み合わせる方法も考えられます。
Googleマップから店舗・施設への来訪を促す
Googleビジネスプロフィールを活用し、Google検索やGoogleマップから店舗・施設を見つけてもらいやすくする方法もあります。
基本情報を正確に保つだけでなく、店舗や客室、料理などの写真、サービスや設備に関する情報を充実させましょう。利用者から投稿された口コミを確認し、必要に応じて返信することも大切です。
基本情報の整備を土台として、検索結果でどのように見えているかまで確認しながら改善を続けることで、旅行中に周辺施設を探している人との接点を増やせます。
海外OTAで訪日予定の旅行者と接点を作る
海外OTAを利用すれば、自社だけでは接点を持ちにくい海外の旅行者へ、宿泊施設や体験プランなどを届けられます。
利用する際は、狙う市場との相性を確認したうえで、掲載ページの写真や説明、料金、予約条件などを充実させましょう。掲載条件や販売手数料などはサービスによって異なるため、予約数だけでなく収益性も踏まえて利用先を選ぶ必要があります。
海外のイベント・展示会で現地へ直接PRする
海外で開催される旅行イベントや展示会へ参加し、現地で日本の地域や観光サービスを知ってもらう方法もあります。Web上の情報発信とは異なり、来場者や旅行会社などへ対面で魅力を説明できることが特徴です。
旅行博覧会への出展や、食・文化などをテーマにしたイベントへの参加などが考えられます。
出展には渡航費やブース費用などがかかるため、一般旅行者への認知拡大を目的とするのか、現地の旅行会社との商談を目的とするのかを明確にし、出展先を選びましょう。
SNSを多言語で運用して海外へ魅力を発信する
SNSは、写真や動画を使って日本の観光地や店舗、商品・サービスの魅力を海外へ発信できる手段です。文章だけでは伝わりにくい景色や料理、施設の雰囲気などを視覚的に届けられます。
ただし、日本で利用者の多いSNSが、狙う国・地域でも同じように利用されているとは限りません。
ターゲットが利用するSNSを確認し、適切な言語や内容で発信しましょう。一度投稿して終わりにせず、どのような投稿に反応が集まったのかを確認しながら、継続的に改善することも重要です。
訪日客のニーズに合った宿泊プランを企画する
訪日客のニーズに合ったプランや体験を企画する際は、訪日外国人旅行者のニーズに合わせた宿泊プランを用意することも集客につながります。
客室だけでなく、その地域だからこそ楽しめる食や文化、観光などを組み合わせれば、ほかの宿泊施設との違いを伝えやすくなります。
地域の伝統文化を体験できる企画や周辺施設と連携したプランなどが考えられます。ただし、「外国人向け」という理由だけで内容を決めず、狙う国・地域や旅行目的を踏まえて企画することが大切です。
多言語SEOで海外からの検索流入を増やす
海外の旅行者が検索エンジンで情報を探した際に、自社サイトを見つけてもらうための方法が多言語SEOです。
単純に日本語ページを翻訳するだけでなく、ターゲットとなる国・地域のユーザーがどのような言葉で検索するのかを調査する必要があります。
施設やサービスの紹介に加え、周辺の観光情報やアクセス方法など、旅行者が必要とする情報を対象言語で発信しましょう。SEOは成果が出るまで時間を要する場合があるため、中長期的に検索からの接点を増やしたい場合に検討したい施策です。
招請旅行で現地メディアや旅行会社への認知を広げる
海外の旅行会社やメディア関係者などを日本へ招き、地域や観光サービスを実際に体験してもらう「招請旅行」もプロモーション方法の一つです。
体験した内容を基に、旅行商品の造成や記事・番組などでの情報発信につながる可能性があります。
また、ターゲット層への影響力を持つインフルエンサーを招き、SNSなどで体験を発信してもらう方法もあります。招請する相手の知名度だけで決めず、自社が届けたい国・地域や旅行者層との相性、費用、期待する成果を整理したうえで実施しましょう。
外国人向け旅行メディアへの掲載で接点を増やす
外国人向けの旅行メディアやポータルサイトへ店舗・施設の情報を掲載し、旅行先を探しているユーザーとの接点を作る方法もあります。
自社サイトだけでは届きにくい層にも、既存メディアの利用者を通じて情報を届けられる点が特徴です。
媒体によって対象とする国・地域や利用者層、掲載できる情報、料金体系などは異なります。自社のターゲットとの相性を確認し、掲載後はサイトへの流入や予約などを測定して、費用に見合った成果につながっているか検証しましょう。
WEB広告で狙った訪日客へアプローチする
短期間でターゲットとの接点を増やしたい場合は、WEB広告も選択肢になります。媒体によって国・地域や興味関心、検索行動などを基に配信対象を設定できます。代表的な方法が、ディスプレイ広告、リスティング広告、SNS広告です。
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告は、Webサイトやアプリなどの広告枠に画像や動画、テキストを表示する広告です。
旅行先をまだ具体的に決めていない段階のユーザーにも広告を表示できるため、観光地や施設、サービスを知ってもらうきっかけづくりに活用できます。
写真や動画を使えば、景観や料理、宿泊施設の雰囲気などを視覚的に伝えることも可能です。潜在層へのアプローチに優れており、将来的な予約のきっかけづくりとして非常に有効です。認知拡大やサイト訪問など、目的に応じた指標を設定して成果を確認しましょう。
リスティング広告
リスティング広告は、Googleなどの検索エンジンでユーザーが入力した検索語句に応じて表示される広告です。
旅行先の宿泊施設や飲食店、体験などを具体的に探している人へ広告を届けられるため、比較・検討段階のユーザーとの接点を作りやすい特徴があります。
インバウンド向けに配信する場合は、日本語のキーワードをそのまま翻訳するのではなく、対象となる国・地域で使われる検索語句を調査することが重要です。広告から遷移するページも対象言語へ対応させ、検索内容とページの情報を一致させましょう。
SNS広告
SNS広告は、SNS上のユーザーへ画像や動画などの広告を配信する方法です。媒体によっては地域や年齢、興味関心などの条件を設定できるため、ターゲットを絞って情報を届けられます。
観光地の景色や料理、体験の様子など、視覚的な魅力を伝えやすい点も特徴です。
ただし、利用されるSNSや好まれる表現は国・地域によって異なります。ターゲットに合わせて媒体や広告内容、使用する言語を調整しましょう。
やみくもに施策を実施するのではなく、自社の課題に合わせて最適な広告媒体・施策を組み合わせることが成果につながります。
インバウンド集客で成果につなげる5つのポイント
インバウンド集客では、ターゲットの設定から施策の選択、実施後の改善までを一つの流れとして考えることが重要です。国・地域や旅行目的による違いを踏まえ、自社の強みを適切な方法で届けられるよう、施策を設計しましょう。
ターゲットの行動に合った集客手段を選ぶ
プロモーションでは、ターゲットが利用している媒体や情報収集の方法に合わせて、適切な手段を選びましょう。
前述したSNSやOTA、検索広告などにはそれぞれ特徴があり、同じ施策でも国・地域や年代などによって接触できる層は異なります。
単に利用者数や知名度だけで媒体を決めるのではなく、「誰に、どのタイミングで情報を届けたいのか」を整理することが大切です。旅行先を探している段階、具体的な施設を比較している段階など、ターゲットの検討状況も考慮して選びましょう。
データや口コミから訪日客のニーズをつかむ
効果的な集客施策を考えるには、ターゲットとなる旅行者が何を求めているのかを把握する必要があります。
訪日外国人旅行者と一括りにしても、出身国・地域や年代、旅行目的、同行者などによって、興味を持つ観光地や食、体験は異なります。
自社の利用者データや口コミ、アンケート、公的な観光統計などを活用し、どのような旅行者が何を重視しているのかを確認しましょう。想像だけでニーズを決めつけず、実際のデータや利用者の声を判断材料にすることが大切です。
施策の成果を検証して改善を繰り返す
インバウンド集客は、施策を実施して終わりではありません。期待したターゲットへ情報が届き、予約や来店などの成果につながっているかを確認し、改善を重ねることが重要です。
自社サイトへの国・地域別のアクセス数や予約件数、OTA経由の予約状況、Web広告のクリック数や予約への貢献など、施策に応じた指標を確認しましょう。
成果が出ている施策は継続・拡大し、成果が伸びない場合はターゲットや訴求内容、媒体などを見直します。漫然と予算をかけるのではなく、継続的に効果測定を行い、予算配分を最適化していくことが大切です。
狙う国・地域を絞って集客戦略を立てる
インバウンド施策全体を設計する際は、どの国・地域からの旅行者を主なターゲットにするのかを明確にしておきましょう。
国・地域によって訪日旅行の目的や滞在期間、消費傾向などが異なるため、「外国人観光客」という大きなくくりだけでは具体的な戦略を立てにくくなります。
ターゲットを決める際は、日本政府観光局(JNTO)や観光庁などが公表する統計に加え、自社の立地や既存顧客、提供できるサービスなども判断材料になります。自社との相性を踏まえて対象を絞ることで、限られた予算や人員を必要な施策へ配分しやすくなります。
訪日客が求める価値と自社の強みを結び付ける
ホテルのインバウンド集客では、ターゲットのニーズと自施設の強みを結び付けて伝えることが重要です。
立地や客室、食事、温泉、周辺で楽しめる体験など、施設が持つ特徴のうち、ターゲットにとって価値のある要素を整理しましょう。
そのうえで、「駅から近い」「地域ならではの食文化を楽しめる」など、宿泊先として選ぶ理由が具体的に伝わる表現へ落とし込みます。自社が伝えたいことだけではなく、旅行者が求める価値を起点に考えることがポイントです。
こうした考え方を自社の施策へ落とし込む際は、実際に地域や事業者がどのような切り口で外国人旅行者との接点を作っているのかも参考になります。
インバウンド集客に取り組んだ事例
インバウンド集客の方法は、地域や事業者が抱える課題によって異なります。ロケ地や地域資源を観光につなげる取り組み、体験商品の造成、Webを活用した情報発信など、実際の事例や活用例から、自社に応用できる考え方を確認してみましょう。

海外作品のロケ誘致を観光につなげる
佐賀県では、海外の映画やドラマのロケ誘致を観光振興へつなげています。
タイの映画やテレビ番組が県内で撮影されたことを契機にタイでの認知が高まり、2016年にはバンコクで観光プロモーションや旅行会社向けの商談会などを実施しました。
映像作品を通じて地域を知ってもらうだけで終わらせず、「ロケ地」から「旅行の目的地」へつなげるプロモーションを展開した点が特徴です。
有名観光地と同じ土俵で競うのではなく、海外のターゲットとの新しい接点を作り、地域への来訪につなげる考え方は、地域資源を活用したインバウンド施策の参考になります。
参考URL:映画やドラマの成功で佐賀県にタイ人が急増、満足度を高めてリピート客に! | 一般財団法人 自治体国際化協会(クレア)経済活動
地域資源を生かした体験ツアーを展開
岐阜県高山市のハッピープラス株式会社では、地域の観光資源を生かした体験型ツアーを展開しています。
日帰りや通過型の観光客が多いという地域課題に対し、朝や夜の滞在時間を楽しめる「朝市」や「ナイトツアー」などを企画しました。
また、複数の海外OTAを活用して体験商品を販売し、予約・在庫管理を効率化する仕組みも取り入れています。
地域にある観光資源を並べるだけでなく、「滞在時間を延ばす」という課題から体験商品を設計し、販売経路まで整えている点が参考になります。
参考URL:ツアー選択 飛騨高山や白川郷等のツアー | Happy Plus Corp
外国人患者を受け入れる環境を整備
宮城県では、訪日外国人を含む外国人患者が安心して医療機関を受診できる環境づくりを進めています。
外国人患者を受け入れる拠点的な医療機関の情報を整理し、外国人患者が医療機関を選ぶ際に活用できる環境を整備しています。
また、仙台市では東アジアや東南アジアなどを対象に、海外の旅行博覧会への出展や観光セミナー、海外メディアの招請などのプロモーションを行っています。
医療のように専門性の高い分野では、単なる観光情報の発信だけでなく、利用時の不安を減らす受け入れ環境とプロモーションの両面を考えることが重要です。
参考URL:仙台市外国人医療受診サポート実証事業を実施します|仙台市
アニメをきっかけに地域周遊を促す
岐阜県飛騨市では、アニメ映画「君の名は。」のモデルとなった場所を観光資源として活用しています。
作品公開から10年となる2026年にも、飛騨市公式観光サイトでは「モデルとなった街の今を巡る旅」として、駅周辺や神社、地域の店舗などを巡るモデルコースを公開しています。
作品に関連する場所だけを紹介するのではなく、周辺の店舗や地域の歴史・文化へ興味を広げられるようにしている点が特徴です。
映画やアニメなどをきっかけに地域を知った人を、実際の周遊や消費へつなげる情報設計の参考になります。
参考URL:1-Day Anime Tour of Hida - Hida City
まとめ
インバウンド集客では、訪日外国人旅行者を一括りにするのではなく、自社が狙う国・地域や旅行者像を明確にすることが重要です。
そのうえで、多言語対応や店舗情報、決済環境などの受け入れ体制を整え、OTA、SNS、MEO、多言語SEO、Web広告などから目的に合った集客方法を選びましょう。
大切なのは、施策を数多く実施することではありません。ターゲットがどこで情報を集め、何を重視して商品・サービスを選ぶのかを把握し、自社ならではの価値を適切な場所で伝えることです。
施策を始めた後も、アクセス数や予約、来店などの成果を確認し、改善を続ける必要があります。自社だけでなく、自治体や周辺施設、旅行メディアなどとの連携も含め、ターゲットに届く仕組みを検討してみてください。
インバウンド集客に取り組みたいものの、自社に合った集客方法が分からない、どの広告媒体を活用すればよいか迷っている場合は、広告エラビーへご相談ください。
狙いたい国・地域やターゲット、予算、集客の目的などを踏まえながら、インバウンド向けの広告媒体選びや出稿についてご相談いただけます。訪日外国人旅行者への認知拡大や集客を検討している方は、お気軽にお問い合わせください。
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